山回りへいこう

私たちは、日本一細長いと言われます四国最西端佐田岬半島より、中晩柑と呼ばれる、生育期間が長いかんきつ類をみなさまにお届けしております。

2007/08~09 大変な干ばつに見舞われました

今年の夏、三崎地区は大変な干ばつに見舞われました。2回の台風以外では微雨すら稀となり、降水量は平年値と比べて大幅に減少。近隣の市町と比べても特に少ない状況でした。
干ばつの影響は8月中頃から現れ始め、特に乾燥しやすい沿岸部の果樹園から葉が巻き始めました。このまま降雨がないと、樹が枯れるおそれがあり、農家はかん水におわれました。


水場がほとんどない半島ですが、幸い、県の南予用水事業のおかげで、50km以上離れた西予市から水の供給を受けることができます。
ただ、直接給水する施設は整っていないので、給水場と果樹園間を往復する日々が続きました。


スプリンクラー施設を導入している一部の園地では、自動でかん水を行う設備が整えられています。
樹を護る為に可能な限りの手を尽くしますが、それでもまとまった降水量の降雨には及びません。自然に抱かれて育てていくことの難しさを、天災が起きるたびに痛感いたします。
取材付記 この時期、スプリンクラー設置園に入る時は、特に注意を要します。シューという音が聞こえたら、それは散水の合図。すぐに退避しないとびしょ濡れになってしまいます。タイマー制御ですから、人がいてもお構いなしです。くれぐれもご用心を。干ばつの影響ですが、果実の肥大が少し緩やかになったものの、幸い大事には至らずに済みました。



2007/09/20 摘果講習会を開催しました

まだ猛暑が続く9月20日、栽培技術の向上に熱心な果樹青壮年同志会員を集めて、摘果講習会を開催しました。

会では、まず営農指導員の発案により、果実のある所に札を付けました。これは、目立たせることで、着果量を目で把握しやすいようにするためです。
その後、参加者全員で摘果し、適正な着果量の確認を行いました。


「こんなに多く残すのはワシのプライドが許さん!!」
とばかりに、講習そっちのけでハサミを入れる生産委員長。
他の人の園地でも、樹に向き合った時の目は真剣です。


園主と営農指導員が摘果の量などを確認します。
「小玉が多いな。少し強めに落とさないと・・・」


適正な着果量は、試験結果に経験を加えて決めています。
今年は干ばつの影響もあって、やや肥大が緩やかなため、さらに摘果に励むよう指導しました。
「想像以上に落とすなぁ・・・」


場所を移して、苗木の育て方について講習を行いました。
品種によって生育特性は異なる上、環境条件によっても育て方は変わります。このような機会に情報交換をして、技術の向上に役立てています。


木陰でひとやすみ
今年の夏の日差しは、服の上からでも刺さるような痛い日差しで、長年畑で仕事をしている農家も、これほどの経験はない、と驚いていました。



2007/10/21 マルチを敷設しました

マルチとは果樹園の土壌に覆い被せる資材のことです。
雨水の土壌への浸透を制限することで、糖度の向上に効果があるほか、樹冠下が明るくなり、果実の色づきを促進する効果もあり、通常栽培より収穫期間を早めることができます。
当部会では、一部の指定園地にこのマルチ栽培を導入し、おいしい果実をいち早くお届けできるよう努めています

▲ネット栽培
鳥の食害と強風から果実を護るため、一部の園地ではネット栽培も導入しています。
外観のきれいな果実が生産できます。



2007/10 防風垣の維持管理

日頃から台風並みの強風が吹きつけることも珍しくない当地区では、果樹園に防風垣は欠かせません。
防風垣には杉などの木を用いています。潮による腐食や耐風性で、他の資材では代替が難しいためですが、毎年手入れが必要で、なかなかの重労働です。
手入れは草刈機やチェーンソーを使って行いますが、段々畑のため高度差があり、脚立やハシゴに上りながらの危険な作業です。


当地では「防風垣の手入れの様子で農家の実力がわかる」と言われる程、重要な作業と認識されており、農家もプライドにかけて美しく仕上げようとします。
その熱意で仕上げられた防風垣が見せる風景は、まるで城砦。農家の果樹園に対する想いが伝わってきます。
おいしい柑橘がお届けできるように今日も頑張っています


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